【このゆびでセックスしたい しっこく堂】のレビュー 制服のままで始まる、秘密の放課後百合疑似セックス

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放課後の教室。消えかけた日差しが黒板を照らして、いつも隣にいた彼女の顔が少し違って見えるときがある。好きいう関係ではなかったけれど、指先で彼女を知ると芽生えてくる。

そんな、ぎこちなくてでもどこか真っすぐなふたりの物語。

しっこく堂さんの「このゆびでセックスしたい」は、大親友ふたりが、ちょっとしたきっかけからお互いの心と身体の境界をゆっくり越えていく、制服のままの放課後百合作品です。

このゆびでセックスしたいのサークル名はしっこく堂

作品名は「このゆびでセックスしたい」。サークル名はしっこく堂。

制服と友情甘くて危うい境目で

「怪我をして、ひとりじゃできなくなっちゃって」ナギのその一言から、物語は始まります。戸惑いながらも応じようとするはるの内に芽生えたのは、「もっと知らない顔を見てみたい」というほんの小さな、でも決定的な感情。

セーラー服を着たまま、教室の机に肘をついて笑いあっていたふたりが、だんだんと女の子として向き合っていくその描写は、見えないスカートの裾をふわりとまくりあげるような、静かな高揚感に満ちています。

愛液が交わる心の深いところ

この作品が魅力的なのは、性があくまでも感情の延長として描かれていること。百合作品にありがちな現実から乖離した幻想ではなく、誰もが持つかもしれない「気づいたら好きになっていた」という温度で、ふたりの関係が描かれています。

「自分の愛液が親友のなかに入っていく」

このセリフは、官能的であると同時に心の距離が一気に縮まる瞬間でもあります。触れること濡れることつながること。

すべてが愛してしまったという実感に変わっていくさまは、読んでいて胸がじんわり熱くなる。

エロくきゅんとなったセーラー服でオナニーを通した親友の存在

ふたりのやりとりが終わったあと、ほんの少し距離が近づいてそれでも「親友」と呼び合う姿がなんとも切なくて愛おしい。

制服のまま、机の端で手を重ねるような、そんなぎこちなくて純粋な性愛に私はすっかり胸を奪われてしまいました。

ふとした瞬間、あなたのすぐ隣にも同じような感情が眠っているかもしれません。恋とは違う。だけど、それ以上に深く優しい。そんな感情の物語です。