放課後の時間って、ちょっとだけ人生がゆるむ瞬間だと思うんです。友達が多い子も少ないJKも、みんな何かしらの居場所に帰っていく中で、「たったひとりとだけ」つながっている関係ってとても濃くて、ちょっとだけ危うい。
鉢本さんの『夕方のニャム』を読んだとき、わたしはそんな境目の時間を思い出してしまいました。ほんの少し大人で、でもちゃんと子どもなあの頃の、自分だけのひみつ。

夕方のニャムの作家は鉢本
作品名は「夕方のニャム」。作家は鉢本さん。
揺れる太ももと初めての視線
作品のなかで描かれる手の描写がとても印象的です。瓜子の太ももにふれるニャムの手、初めて自分の肌にのぼる異国の温度。そして彼の勃起を見たときの瓜子の表情。
それは「困惑」でも「嫌悪」でもなく、ただまっすぐに知るということへの興味。
処女である彼女にとって、それは最初の性との距離の詰め方。でもそこには、ありがちな羞恥や拒絶ではなく、素直な好奇心とほんのりした承認欲求のようなものが漂っていてなんだかいじらしい。
スパイスが引き出すこころとからだの熱
この作品でぐっときたのは、「言葉が通じないからこそ体温だけが頼りになる」関係の描き方。わたしもかつて、留学先で知り合った人とほとんど言葉を交わせないまま、互いの肌に触れていた夜がありました。
どこまでが恋でどこからが性なのか?わからないまま手を重ねる時間。それを思い出させてくれるような、やさしいエロスがここにはあります。
手コキの生々しい表現力とフルボッキと射精を初めて見る顔が好き
何より印象に残ったのは、手の中で皮が剥けたり戻ったりする、その手コキのリアルさ。まるでそこ“呼吸しているペニスがあるかのような描写に、どきっとしてしまったんです。
じっと見つめる彼女のまなざしがすごく愛おしくて、勃起を見たときそして射精を見届けたときの表情には、初めて誰かの「変化」に触れる少女のまっすぐさがにじんでいて、もうたまらなく好きでした。
ちょっと昔、自分にもこんな瞬間があったなって思い出させてくれるような、やわらかくてエロティックな射精シーン。地味で人付き合いが得意じゃない子が、異国の男性と交わす不思議な時間。
それって、どこか性”を通じた文化交流みたいなものだと思うんです。ふと「こんな出会い、わたしもしてみたいかも」なんて、うずうずしてしまうくらい。
それにしても、制服姿の彼女の佇まい最高でした。華やかさじゃなく、普通のセーラー服が似合うJKであることの色気がそこにはあって、身近にいそうな芋かわ系の女の子。
そんな空気感を丁寧に描いた絵柄にも、心をぐっと掴まれました。