人は時々、気持ちのスイッチを誤って押してしまう。誤作動というにはあまりに生々しく、無視するにはあまりに切実な熱が、心の奥から溢れてしまう瞬間がある。
それはたとえば、誰もいない職員室でふと目が合った眼鏡の奥の潤んだ瞳とか、そんなささいなきっかけだったりする。
責任.exeのサークル名はRev3
作品名は「責任.exe」、サークル名はRev3。
前作を知ればさらに物語を楽しめるけれど、地味な女の子にありがちな巨乳という身近に潜むエロスが好きな方は今作でも十分楽しめるはず。
すべては小さな誤解から始まった
彼女を名前で呼ぶには現実すぎる気がして、呼ばなかったのかもしれない。彼女は眼鏡をかけていて、いつも襟元をきちんと留めていた。
まるで何も起こらないような人だったし、彼女自身もそう思っていたに違いない。けれど、ある日何かが壊れてしまった。誰かの呼吸音の中で、何かがずれてそして噛み合った。
彼女の乳房は大きく、けれど隠されていた。それは図書館の奥にしまわれた分厚い詩集のように、静かで誠実だった。彼女の身体には、こじれた欲望と長年の我慢と優しさがぎゅっと詰め込まれていた。そしてその夜、それらは思いがけないかたちで溢れてしまう。
優しさという名の赦し
彼女が言った。
「先生、ごめんなさい。けど、あなたが優しすぎるのがいけないんです」
その言葉は、濡れたガーゼのように心にじんわりと染みた。たぶん彼女は、ずっと誰かに触れたかったのだと思う。ただし理由のある触れ方で。暴走も衝動も、彼女にとっては静かな告白だったのだ。
僕が彼女を責めなかったのは、優しさというより似たような孤独を持っていたからだろう。誰かを傷つけたいわけではなく、ただ自分のなかの渇きを埋めたかった。彼女の熱に包まれながら、僕はその意味を知った。そして僕たちは、そのあと静かに手をつないだ。
過ちを抱きしめる眼鏡の少女に
この物語は、いわゆる許されないことから始まる。けれど、読後に残るのは妙に甘く淡い感触だ。地味で大きな乳房を抱える彼女の眼鏡の奥にあるものは、欲望の獣ではなくただの人間らしさだった。
地味に見える子が、実は誰よりも性的に渇いていた。そんな発見に僕は心音は少し高くなった。それが赦しの物語であろうと赦されぬ関係であろうと、彼女の涙が本物だったことだけは信じていいと思う。
