扉が閉じた瞬間、家の中に流れたのは、日常から切り離されたような乾いた静けさだった。
両親が不在のあいだ、近所のJKのお姉さんと弟的なショタがひとつ屋根の下で数日を過ごすことになった。それは、何の波乱も起きないはずの留守番だった。
少なくとも、あの夜までは。

見つかった欲ほどけた沈黙
その夜、扉の隙間から姉が見てしまったもの。それは少年のひとりきりのオナニーという儀式だった。
初めて見る男性的に隆起したペニスとそれを弟的な近所の少年が熱心にしごいている。
羞恥と沈黙が部屋を満たし、咄嗟の弁解が意味をなさないまま、姉はゆっくりとまるで長年のなかに積もった何かをほどくように、口を開いた。
「こんなことしてるの?」
少年が隠していた古びた本を指差し、小さく微笑んだ姉の横顔には、懐かしさとわずかな嫉妬が混じっていた。
制服の記憶、そして“姉”という名の誘惑
翌日から、姉の様子が少しずつ変わりはじめる。かつての高校の制服を纏い、台所で髪を結び、ときおり目を逸らすような視線で彼を見つめる。
その仕草にはあからさまな淫靡はなかった。むしろ「姉」としての優位と「女」としての揺らぎが交錯していた。
放出する精液を口に収めなければならないという間違った使命感も、彼女らしくそこには姉としてのお作法も感じる衝動だ。
少年は戸惑いながらも、その視線の奥にある“何か”を理解していく。やがて、ひとつの境界が越えられた夜に姉はすでにすべてを受け入れていた。
誘い受けという言葉では追いつかない、姉が心の奥に抱えていた孤独と欲望の残響。
そして少年もまた、自分の中の男を初めて意識することとなる。
近所のお姉ちゃんと弟という近しさがもたらす倒錯の甘やかさ
この作品は、背徳の物語ではない。
むしろそれは、曖昧な血のつながりがもたらす仮初の密室のなかで、心と身体が同時に再発見されてゆく様を描いた耽美譚である。
姉のふるまいには、性的挑発ではなく、近所の姉性を再構築するための演技のようなものが滲んでおり、そこには一種の哀しみさえ見え隠れする。
「ただ欲を満たすためではなく、誰かに見つけてほしいという祈りのような渇き。」
少年と姉のあいだで交わされたものは、身体よりもまず、「言葉にできない孤独」のやりとりだったのかもしれない。

「おねえちゃんと ふたりきり」サークル名はババロアバス
作品名は「おねえちゃんと ふたりきり」、サークル名はババロアバス先生。
近所にいる、セーラー服が似合うあのお姉さんみたいな絵柄。見るだけで胸がざわついて、思わず目を逸らしたくなり、不本意に勃起を促してくる。
そんな甘くてちょっと危ういドキドキが詰まっている物語だ。